2011年8月17日水曜日

「着装道」第一期終了

8月4日
「着装道 宮島流衣紋研修道場」第6回研修ならびに
免許状授与式が行われました。

昨年9月、
NPO法人日本時代衣裳文化保存会理事長であり
小林豊子きもの学院学長を務める宮島健吉先生が
宗家として、永年に渡る研究の成果を次世代へ向け教え伝える
研修機関が始動いたしました。


第一期最後となる研修は
白拍子水干姿の仕上げとも言える
「首上の緒」の結び方、「盤首」の変化、「細太刀」のつけ方を
学びました。


「結び」とは魂の宿る「産霊(むすび)」。
結び目のひとつひとつ、「陰陽」を忠実に守り進めることを身につけます。


そして、全6回の研修を終えた門下生57名が
第一期生として免許されました。



宗家からは
「自名の許状を自らお渡しでき、感無量。
人生の輝ける日となりました。」とのお言葉を頂戴し
免許状とともに時代衣裳への思いも授けられました。

現在、旧華族である山科家・高倉家により伝承されている衣紋道。
開祖とされる源有仁公が道を開いてから900年近く、
「着装道 宮島流衣紋」として時空を超え、
いにしえの歴史を再現、未来へ向け伝えてまいりたいと
 決意を新たにいたしました。



2011年8月16日火曜日

北海道高等学校家庭科教育研究協議会 服飾文化セミナー


7月29日
北海道高等学校長協会家庭部会からの要請を受け
家庭科教員対象の体験研修講座を実施しました。

この会は
「心豊かな生活の創造を目指し
生徒一人ひとりの能力の伸長を図る家庭科教育のあり方」
を研究テーマに家庭科教員の資質向上を目指すものです。
昨年、NPO法人日本時代衣裳文化保存会が初めて講座を担当させていただき
ご参加教諭のみなさまからの好評を受け、本年も開催の運びとなりました。

信田理事による講演では
蚕や植物など自然の命から生成される衣が身体を防護する衣服となり
自然と共生することから育まれる感性をプラスして
美しい日本のきものが生まれ服飾文化が形成されていく過程から
「命の尊さ」が説かれます。


十二単の着装実演では
三人がかりで一枚一枚きつけられていく様に驚きの面持ち。
教科書で見慣れている宮廷装束の実態が明らかにされると共に
全て決まりのある上に成り立つ衣紋の行程に「礼節」を見ます。


さらに、皆さんにも十二単を実際に羽織っていただき
重みを体感していただきました。
袖口に見える「かさねの色目」に改めて注目、
色の合わせ方に決まりがあるのか、年齢による差異があるのかなど
質問があげられました。


来年は全国大会が札幌で開催されることになっており
そちらの要請も受けたまわっております。
 ご参加いただく教諭の皆様の意欲にお応えできるよう
準備を進めて参りたいと思います。

2011年8月15日月曜日

カルチャーナイト2011


7月15日
美術館や警察署など、公共・文化施設を夜間開放し
市民が地域の文化を楽しむ行事、カルチャーナイトが開催されました。
札幌で開催されるようになってから9年、
今回は105の施設が参加、「日本時代衣裳展覧室」は昨年に続き2年目となります。

今回のテーマは「風」。
風に揺れる風鈴の音のように
日本の時代衣裳の美しさがご来場の皆様に安らぎをお届けできたら…

本年は
札幌大学・北海商科大学・市民グループの3団体42名を含む
72名の方にご来館いただきました。


リピーターや留学生・親子連れなど歴史に関心を持つ方々が多く
中でも今回初めて展覧室の存在を知ったという方からは、
「他にない素晴らしい展覧室、
もっと沢山の人に知ってもらいたいですね」とのお言葉をいただきました。


北海道の短い夏の長い夜。
昼間の暑さを払うように、爽やかな風が通り過ぎました。