2013年8月20日火曜日

中学校技術家庭科教諭和服着裝指導者育成講座、実施。

8月20日、小林豊子きもの学院北海道本部において
「中学校技術家庭科教諭和服着裝指導者育成講座」を実施いたしました。

学校が夏・冬休みの期間中
札幌市内各中学校の技術家庭科教諭の皆様にお集まりいただき
授業での実践にむけた浴衣や袴の着装、
マナーについての研修を行なっております。
きものDo~NPO法人日本時代衣裳文化保存会発足直後より開催して6年
現在当法人が携わる教育機関での事業の基盤となる重要な講座です。

講義では「被服」を構成する要素のひとつである「色」を取り上げ
色による心理的効果や、組合せによる印象の変化など
カラーチャートを使い実感していただだきました。

そして、実習では、初めて「他裝」にチャレンジ。
相モデルでの浴衣の着つけですが
「自装ではやっていることに精一杯できちんと理解していなかった部分が納得できました」
「これまで実習で生徒に正しく指導できていなかったので少し自信がつきました」
とのご感想をいただきました。



ご参加のみなさま、お疲れ様でした。
8月28日(水)には後志地区教諭を対象としても初めて実施の予定です。

お問い合せは
E-mail info@kimono-japan.co.jp
または
011-280-1020

2013年8月16日金曜日

第57回全国高等学校家庭科実践研究会二日目

7月31日 小林豊子きもの学院札幌校にて
全国高等学校長協会家庭部会他主催・文部科学省他後援により
「第57回全国高等学校家庭科実践研究会」二日目となります
アラカルト研修が開催され
南は福岡から北は留萌まで全国各地から
高校技術家庭科教諭の皆様がお集まりになりました。


3年前より北海道高等学校長協会家庭部会様からのご依頼で
服飾文化に関する研修会を開催させていただいておりましたご縁から
今年の全国大会も是非、と貴重な機会を頂戴いたしました。


「伝統衣裳と色の文化」と題し
NPO法人日本時代衣裳文化保存会 宮島健吉理事長の講演
十二単と束帯の着装実演
十二単の着装体験という内容で実施されました。


講演の冒頭
心の色は顔の色、百人一首にある
しのぶれど  色に出でにけり わが恋は  物や思ふと   人の問ふまで
(誰にも知られまいと耐え忍んできた恋心であったが
こらえきれず人が尋ねくるほどに 顔色に出てしまった)
を例に、人の心は色となって表れるもの
また、冠位の識別のため聖徳太子の制定した冠位十二階から
色はアイデンティティの表出であるものとし
伝統衣裳の中に見つけられる色と文化の関係をお話しされました。


十二単の着装実演
一枚ずつ着重ねられ完成する重ねの色目


「松重ね」など自然をモチーフにネーミングされておりますが
理事長がさまざまな文献の研究から、198種類の重ねがあることが語られます。


束帯の着装では
袍の丈や裾の長さも、年齢や位によって変わることが語られました。


講演の後は
「裳抜けの空」の状態で待機した衣裳を
出席の教諭の皆様全員に体験していただきました。



肩にずっしりとかかる重さもさることながら
長く引く裾の扱いに「躾」の本意を実感されたようでした。


伝統的なきもの文化を五感で実感していただき
未来を担う子ども達へ
世界に誇る日本の心と文化をお伝えいただける事を願っております。

私たちにとって貴重な機会をいただきありがとうございました。

2013年8月15日木曜日

第57回全国高等学校家庭科実践研究会 一日目

7月30日 北海道立道民活動センターかでる2.7大ホールにて、全国高等学校長協会家庭部会他主催・文部科学省他後援により「第57回全国高等学校家庭科実践研究会」が開催され、全国から200名余りの公私立高等学校家庭科教員が参集されました。
3年前より北海道高等学校長協会家庭部会様からのご依頼で、服飾文化に関する研修会を開催させていただいておりました当法人に、一昨年、この全国大会での特別講演開催のご依頼をいただきました。
足かけ二年、宮島理事長の構想のもと、講演の内容から実演内容、ステージ演出等、準備を重ね当日を迎えました。


開講式から始まった研究会、テーマは「生きる力を育む家庭科教育の充実を目指して」~北の大地で考える生活と未来を拓く力~。
文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官 望月昌代様による基調講演の後、
NPO法人日本時代衣裳文化保存会 宮島健吉理事長による講演「日本文化と“着もの”」が始まります。

 

蚕の命から紡ぎ出される日本人の衣服、着ものは染織・裁縫・着つけという文化と出会い完成を見ます。命を尊び自然との共生を目指す私たちの根幹を成すものは「恕」、すなわち 他者の立場や心情を察する心。
未来を担う子供たちへ日本の心・文化・美を伝えるために、教育現場で一線に立つ教諭の皆さまに深くご理解いただけますように…


平安朝公家若年女子の正装である「細長」、この着装をご覧いただきます。
平安時代に確立されたと言われる国風文化、その一端である十二単に代表される重厚長大の衣裳は、幼年期より着装することによりその立居振舞いを自然と身につける「躾」に繋がります。


三人の衣紋方による着装はまさに「恕」、私情を消し去り、唯々着せられる御方様を気配り定められた手順で進められます。


長くたなびく裾の先まで注意を払い歩く姿はあらゆる角度から美しさがあふれます。


他者への着つけの後は、自らの着つけを「きつけ舞」でご覧いただきます。


難しいと思われるきもの着つけも、お稽古を積むことで楽しく美しく自分ひとりで着る事ができる、「自立」をうながす衣文化と捉えることができます。



そして現代着つけの極み、「創作帯結」びをご覧いただきます。


一本の帯から形作られる花「アンスリウム」、自然にあるものを感性をたよりに再生するため、繊細な手業を駆使いたします。


水仙、浜茄子、桔梗など美しく結びあげました。


最後には現場でご活躍の教諭の方々からの質問を受け、文化伝承のために教育現場でまず実践すべきことなど、熱い思いが交換されました。 




終演後は、「研究会史上類を見ない講演」であったと、ご担当された北海道高等学校長協会家庭部会様から、絶大なる賛辞を頂戴いたしました。 実施にあたり奔走くださいましたご担当者各位、ご理解いただきました当法人理事会様、ご協力いただきました当法人評議員の皆様、モデル協力いただきました学校法人三幸学園様、 誠にありがとうございました。



2013年8月6日火曜日

着装道宮島流衣紋研修道場 三年度終了

時代衣裳着装のエキスパート養成を目指す「着装道宮島流衣紋」
研修道場が開かれ、早くも三年が経ちました。
7月28日 宗家をお迎えし、今期最後の研修と
免許状の授与式が行なわれました。


舞妓、京芸妓の研修からスタートした今期
最後は時代衣裳の基本、十二単で締めくくります。
まずは宮島宗家の解説に添って進める展示着装から。


その後、それぞれが手をかけ
衣裳の扱い方から裾、袖の揃え方、衿合わせの仕方など
作法に則り進められる着装を基本からおさらいしてゆきます。


宗家が最も重要に捉えている「結び」。
結びとは「産靈」
神霊が宿り、人間の魂が込められる聖なるもの
紅白の紐 二本を結んでは解き、解いては結ぶを繰り返す着装においては
結びやすく解きやすい、そして美しく実用的である結び方のコツを
宗家自らが手ほどきくださいました。


そして、免許状授
今回は「師範」として認定された方も多数
着装道の未来は輝いています!


終りに、宗家を囲んで懇親会
宗家の語る全てが学びの源泉
お食事をしながらも、耳は集中を欠かせませんね。


記録として残すことが難しい着装技術
門下生のみなさんの更なる成長を願い、今期を終了いたしました。
道内各地よりご参集のみなさん、お疲れ様でした。

四年度第一回研修は9月21・22日を予定しております。
文化伝承者として、技と心の鍛錬を!!